oimochan-max’s blog

お芋ちゃんマックスの趣味や独り言。

水素温熱免疫療法 CTのトリック

 

お芋ちゃんマックスは画像診断を専門として、御飯を食べていますよ。

はてなブックマークで、いろんな意見があったので、お芋ちゃんマックスもトリックを暴いてみようと思ったよ。

 

1.肺がん

肺がんはスライスがずれていると思われます。(向かって左側の肺野の血管を見比べると形が異なっています。また横隔膜、心臓の位置もずれています。吸気不良や心拡大がない限りずれることはまれです。)

癌を球体として捉えると直径1cm強ほどなので、1スライス(5〜2mmの厚さが普通)ずれるとかなり大きさが異なってきます。

 

2.症例1) 肝がん

スライスが異なることはもちろんですが、そもそも、肝原発の癌かどうかが怪しい。

 

造影CTで均一に黒っぽく、周囲組織との境界がはっきりしており、同程度の大きさの腫瘍が複数個見られており、乏血性の悪性腫瘍が肝臓に転移した可能性の方が高いと思われます。

 

治療後とされるCTでは、胆管拡張が見られています。 これは、何らかの理由で胆管が物理的に閉塞したことを疑わせます。 

個人的には、治療前は乏血性腫瘍である膵頭部癌の肝転移した画像、

治療後は膵頭部癌が増大したため、胆管が圧迫閉塞・拡張した画像でもいいのかな、と思います。(原発の癌が見えてないので100%自信があるわけではないです。)

 

3.症例2) 肝がん

そもそも撮像タイミングが異なる画像を使っています。 タイミングが異なると強調される組織が異なってくるので、比較対象として不適切です。

また、こちらもスライスが異なっています。治療後の画像には中央に左腎静脈が写っていますが治療前には見られません。左腎静脈は吸気など影響でも移動しにくい場所なので、スライス位置は2-3cmほどずれてるんじゃないかと予測されます。

治療前に見られた、癌とされる白い部分は、短い線状〜楕円形で放射状に分布しており、肝臓の血管で良い気がします。 

仮に白い部分が、小さな多発肝細胞癌や前癌病変としても、治療後の画像との比較ができないので治療が効果があった証明とはなりません。

 

 

 

 

放射線科の医師は画像診断の専門家です。1日に何十件と画像を見ているので目が肥えています。

 

直接患者さんの前に現れることはないので、お目にかかることはないと思うけれど、心臓や呼吸器、消化器などの専門の医師がいるように、医療画像にも専門家がいることを知ってくれたら嬉しいよ。

 

お芋ちゃんマックスは一応真面目にルールを守って働いているつもりなので、画像をこのように悪いことに使われて、悲しいよ。

 

それではおやすみなさい。